第25話

ほほえみを崩さない王子様と、

目がつり上がった幼馴染。


一体何度この光景を見るのだろうか。


「お前のせいで莉音は倒れたんだよ。わかってんのか?」


きょとん、とする天王寺くん。


どうやら私が倒れたのは自分のせいとは思っていないようだ。


「…私の、せいだったんですか?」


何その切ない顔。


そんな顔されたら…


「いや、違うくて…」


「莉音!何言ってんだよ!」


じゃあなんと答えればいいのだ。


昔の記憶、シンデレラだったころの記憶が蘇ったから倒れたとでも言えば良いのか。


そんな話、ありえないのに。


「ーーーっ!もうほっておいて!!」


わけがわかんなくてその場から走り出してしまった。

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