一難(?)去ってまた一難
突如巻き起こった妹サバイバルだったが、結局最後は予鈴のチャイムをきっかけに幕を下ろす事となった。
この勝負は引き分け!
決着は次回に持ち越さないでくださいっ!
そんな訳で、俺も自分の教室に向かった訳だが……。
「お、悠ちゃんじゃないか。
おはよー。」
「げっ。」
「いや会って早々げってなんだよw。」
バシバシと背中を叩いてくるこのぽっちゃり系男子は、同じく俺がUthtuberで仲良くなった男友達の
一見明るくて親しみ易い奴のように見えるが、少し困ったやつでもある。
「それに朝からそんな可愛い子を侍らせちゃってさ。」
「可愛い!?聞きました!?悠太さん。」
嬉しそうだなぁ……。
「秋名ってロリコンだったっけ?」
「誰がロリですか!?」
「いやいや俺は普通に可愛い子なら皆好きだから。
君、名前は?」
「り、リオですけど。」
「リオちゃんか!オーケーリオちゃん俺の嫁ね。」
「ふぁっ!?」
そう、こんな風に自分が気に入った相手は片っ端から嫁にする。
早い話がチャラ男なのである。
更に達が悪いのは……。
「ちなみに悠ちゃんも俺の嫁だから。 」
「誰が嫁だ!」
これである。
秋名にとって嫁と言うのは気に入った相手を指す言葉らしい。
その定義は性別の壁を超え……るらしい……。
「それに秋名は色んな奴に嫁嫁言ってるけど最推しは別にいるもんな。」
「まぁな。」
「え…?それなのに嫁…?私の事可愛いって?」
「なんだよ、実は嬉しかったり?」
「いやいや!気付いてましたけどね!?
そんな事だと思ってましたけどね!?」
真っ赤な顔で食い気味に答えるリオ。
あ、これ騙されてたやつだ…。
さて、とんだ邪魔が入ったがこれから授業を受けるに当たって分かった事をここらで書いておこうと思う。
今俺が居る
偏差値的にはそんなにだが、制服の可愛さだったり、緩めな校風を目的に受験する生徒も多いと言う話を今日転校して来て、俺の親戚と言う設定のリオがクラスメイトから聞き出してくれた。
ちなみに俺は2年B組で、日奈美、茉里愛の妹組は1年A組だと言うのが分かった。
転生前の世界では日奈美の方が上だった筈だが、そこは調整されているようである。
それを言うと秋名も現世では年下だったが、この世界では同い年らしい。
実際年齢差をあまり感じない間柄だったように思うが、違和感がなくもない。
さて、先にこの学校が選ばれる理由について触れたが、実は魅力はもう一つあったりする。
それがこの学校の校長、リュウの存在である。
この校長は常に可愛らしくデフォルメされたクマの着ぐるみを着用していて、その中を見た物は一人も居ないらしい。
どうしよう、着ぐるみのクマ、ものっそ見覚えある。
やっぱりUthtuber知り合いの人だよね、多分。
この学校の売店にはそんな校長のグッズも販売されていたり、それが売り切り続出であったりと、その人気は計り知れない。
今度俺も買ってみようと思います。
俺達のクラスの担任についても触れておこう。
どう言う訳か、中学時代の担任である
低身長だが、元ヤンと言う事もあって怒らせると怖い←これはガチで
ちなみに名前にちなんでかツナマヨが好きらしい。
知らんがな。
担当科目は現国。
そして今はその授業中な訳だが。
俺は早速困っていた。
そもそも、急に転生して来た奴がその日の授業スケジュールや、必要な教材諸々を把握している筈がないのである。
一応カバンに筆記用具は入っていたものの、ノートすら入ってないなんてどう言う事なの、、。
かと言ってあの先生にそれを言ったりなんかしたら……想像するのも怖い。
こうなると、もう隣の席の奴に頼むしかない訳だが…。
俺はチラリと横に視線を向ける。
すると、相手は一度ビクッとしながらも、気まずそうに視線を逸らす。
つられて俺も視線を逸らす。
せっかく転生して、仲のいい人も近くに集まって。
何も気にせず、新しい毎日を平和に楽しく過ごせたらなと思っていたのに。
どうしてよりにもよって俺の隣の席に、元カノの
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます