第51話
ーー俺の本心は百合に対しての同情だった。
まさか、また猫を拾う羽目になるとはな。
「一匹も二匹も大して変わらねえか」
「ん?」
再び百合を抱えてベットに寝かせると、続けて龍之介も隣に寝転んだ。途端、喜びを露にしてすり寄ってくる百合は、じゃれる猫そのものだった。
「さっさと、寝ろよ」
そう、冷たく吐き捨てたのに。離さないと言わんばかりに体を密着させた百合は、小さな声で“ありがとう”と言った。酷く安心したように。
静かな寝息が、妙に落ち着かない。それもそのはず、他人と同じベットで寝るなんてことは今までになかったのだから。
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