第15話

変な感覚に小首を傾げながら紫藤を見上げると、みるみる不機嫌そうに顔を歪めた。





「あんた、俺が堅気じゃねえと知ってて近づいたろ」





行動と表情が全く伴っていない。





「舐めた真似してんじゃねえぞ」





そう言うや否や、内ポケットから取り出した怪しく光るナイフを百合の顔の側ギリギリの場所へ突き刺した。





「俺の組は血の気の多い奴ばかりだ。随分と自分に自信があるようだが、命が惜しいなら面白半分で関わるんじゃねえ」





この瞬間、百合は理解した。

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