Destiny1

第1話

恋愛は前戯だと見做す者がいた。





さも有り触れたような物言いの女子高生達の会話に少しばかり衝撃を受けた日の事を、今夜思い出した。





午前1時を過ぎた頃、タクシーの窓から外を眺める高宮百合(たかみや ゆり)は、何度目かの溜め息を漏らす。話に寄ると一般的には可愛らしい乙女な会話の部類に入るのだとか。


自分には到底理解できない。


恋愛なんて、そんな浅はかなものが存在しなくても下半身は濡れる。極上な快楽と形式的な優しさと愛情が微かにあればセックスは成立する為、精神的に得るものなど無いし必要性も感じられない。





自分の思考と反する人間が酷く愚かで哀れに感じてしまう。

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