全ての答え合わせ(???視点)
3年生の卒業式を終え、帰路につく途中。
突然、金船先輩が笑いながら現れこう言ってきた
「悪いが監視された生活を受け入れろー?」
突然現れた事よりも
監視された生活を受け入れろって所にむかついた。
ふざけんな、なんで監視されなきゃいけない
と愚痴ったものの、分かってはいた
最後まで残ったコイツの監禁ルートか・・・。
・・・ん?監視?原作より緩いじゃんラッキー
雨宮が抜けてから何故か効力が切れて
怒らせたりするようになって交流を図るのが難しくなってた。
どう交流して誘い出すか分からなかった
ただ効力が切れてもアイツら近くにいたから大丈夫だと思ってた。
ヤりたいと思っても
なんとなく、それをしたら死ぬって思ってできなかったし。
家どこなのか教えて貰ってないから突然押し掛けるもできなかった。
夏休み中は一切連絡とれなくて困惑したし。
・・・まあそれ以上に
金船真帆以外は攻略対象の闇を真っ向から相手しないと駄目で面倒だから
それを無視できるハーレムエンドが良かったってのがあるんだけどな
なのにどんどん抜けていって腹が立つ。
ただ闇を相手したくないから、盗られても別にいいやとも思った
盗られる前に良い思いしたかったけど。
取り返したい気持ちなんて無い
彼奴らと穴兄弟だなんてごめんだね
俺は全ての初めて、それからのも俺一人だけにして欲しい。
どうせ今頃やらかして妊娠させてんだろ。
「納得してねーって顔だな、んじゃ問題出すから正解したら教えるよ
なんで監視された生活をしなきゃいけないのか」
無言で居続けたから、納得してないと思われたか
ちゃんと答えよう、余裕だし。
「望むところだ」
「いいねーその顔、√2」
√2、コイツの場合はこれだ。作中でも超簡単な奴だ。
「ヒトヨヒトヨニヒトミゴロ」
「正解♪」
コイツが出す問題は全て答えた
答えを全て知ってるからな、余裕だ。
「30問全問正解だ♪」
「答えたぞ。教えてくれ」
「おう応えてやる」
ただまあ質問を質問で返すなーって感じなんだけどなっと笑いながら言ってきた。
今の俺にとっては助かる表情だ。
目の前で今古賀とキスして脳破壊してきた大海
前に出てきて騎士気取りの白金
手を繋いでやってきた東谷
売れない芸術家を選んだ皐月
そんな奴らより圧倒的ハッピーエンドを迎えられる。
財閥の令嬢が俺を迎えてくれるんだからな
そんな金船先輩が笑顔から無表情で無機質な声に変えてこう言ってきた。
・・・待て、俺その顔知らないぞ
「お前なんで私好みの答えを、会って間もない時に言えたか言ってみろ」
!?な、い、言えない、言える訳が!
「言わないか、まあいい。私はな、お前を警戒して近くにいたんだよ。
可愛い女の子達にこれ以上、お前の毒牙にかからないようにな。」
ハーレムエンドの条件は
全員の好感度最大にした後
最後に金船真帆を攻略。
ヒロインを敵対させてくるから財閥の力を使ったヤンデレ
それがあのゲームをやった皆の認識の恋愛ルートじゃ!?
動揺する俺を無視して金船真帆は一つ一つ語っていく
「なぜ夏休み、ハーレムメンバー全員がお前に会わなかったか
簡単、私がアイツら全員を保護してお前に会わせないようにしたから。
もしお前が出かけたとしても、鉢合わせないよう
金船グループ専用の敷地と乗り物を使って絶対会わないようにしてな」
だから連絡が無かったのか・・・!
街に行けばいるはずなのに遭遇すらできずだったのも・・・!
せめて祭りの着物姿、水着姿を見ようと思ってたが出来なかったのも
全部コイツに妨害されたのか・・・!
「おかげで全員お前への思いが薄れてたぜ?
ただそれも夏休みを明けたら皆お前の元へ行くからな、理解できないと思った。
が、何らかの暗示があるなら、解いてやればいけると判断した」
ハーレムエンドの、俺は皆と楽しい日々を過ごしたってテキストの部分。
ちゃんと効果を発揮してたのか。でもなんでそれが無効にされた!?
「暗示があるなら覚まさせれば良い。
そういう意味では雨宮雫は簡単・・・
いや、東谷悠がいたから簡単になったと言うべきか。
まあいい。雨宮雫は真面目で良い子だからな。
ヒモ、あぁ寄生虫と言ったか。そんな生活、必ず反対してくると思った。
誤算はあそこまで激昂させてしまった所だが、東谷悠がいたから事無きを得た」
コイツ、あのヒモOK宣言は雨宮を解除させる為だったのか!?
だとしてもなんでハーレムエンドのテキスト効果を、雨宮は抜け出せたんだ!?
そういえば、なんでコイツにはハーレムエンドのテキストが効いてないんだ!?
もし敵対ルートだったのなら、敵対してるから効かないっていうのか!?
じゃあなんでハーレムエンドにいけたんだ!?
「そして晴れて東谷悠と雨宮雫は恋人関係になり、幸せの日々を取り戻した。
おかげで他の女の子達の目を覚まさせるキッカケが出来た。何だと思う?」
わ、分かるかそんなもの……!
「ゲーマーの足立遊助が答えた。ハーレムエンドは全員攻略する必要がある。
だが一人でも欠ければハーレムエンドに行けなくなる。
雨宮雫が抜けた事で効力が薄れた」
待て!その時はまだ効力はあったぞ!
「そして、もう一つある。
ゲーム風に当てはめるのなら
東谷悠がお前の代わりに雨宮雫と思いを伝え合い恋人になった。
雨宮雫の手を取り個別エンドに向かった。
だから弱まったハーレムエンドが個別エンドに変わった。
だから女の子達はお前の暗示から覚める事ができた」
そ、それがハーレムエンドの効力が切れた原因だと言うのか・・・
何かが消えた感覚と同時に交流をとるのが困難になったのも・・・!
待て、それでも一人は効くはずだ!個別だったら!
・・・まさかコイツが最後まで残ってたのって!?
「なぜ私が最後まで残ったか。
それも同様。個別エンドを迎える時、一番好感度が高い奴が行く。
お前、私にも粉をかけたからな。もしかして私も対象なのではと思った。
事実、あの一斉告白の場にいたしな。
だから上手く行くか分からないが、私にした。
非常に気持ち悪いが女の子達が離れるのに必要ならと受け入れられた。
だから最後まで残った」
だからコイツ除いて全員出ていったのか・・・!?
「そして私にとってとても、あぁとても嬉しい誤算。
お前、人の事を好きになった事が無く、処女に拘る余りに拗らせた童貞だろ。
だから最初に抜けた雨宮雫を取り返す動きをしなかった
勝手に東谷悠とヤりまくってると考えをして、中古なんていらないっていう
下衆な思考をしてな。
他の女の子達が抜けた時も同じように思ってな。
令嬢だから様々な人と会う
その中で該当するのがあった。
お前の中身、高校生じゃなくて、いい歳したおっさんだったりしないか?」
な、な・・・!?コイツ、どこまで俺の正体を・・・!?
「好きになった事が無いから、何をすれば喜び、怒り、悲しむか。
そして相手を思い、考え、行動するかができなかった。
自分が幸せならそれでいいという、醜いエゴの塊。
それがお前だ
そんなお前を残して卒業なんて、恐ろしすぎるからな。
留年させてもらったぜ
これで私の行動を監視する為に護衛をつけるっていう名目で
護衛がお前を校内でも監視できる。
一族は全員納得してるぜ
私好みの答えを言い当て続け洗脳さえしようとした存在を放置は危険だってよ。
あの甘い物が好きで私に厳しいばあちゃんがそう言うくらいだ
よっぽどだぜお前?」
だからコイツ在校生の方にいたのか!?
何がそこまでコイツを駆り立てるんだ・・・!?
「これでも命拾いしてる方だぞ?
もしお前が誰かしらに手を出そうとしていたら
即時に護衛がお前を捕らえるつもりでいた
が、思いの外動かなかった。だから監視に留めてる。
首の皮一枚つながったと言う奴だ。
流石にまだ目に見える犯罪行為をしてない奴を
消したり監禁したら財閥に非難がくる」
お、俺の動こうとして、動き方が分からなかったのが功を奏した
って言って良いのかこれは・・・
「だが3年生では護衛が、それ以降は金船財閥総出でお前を監視する。
逃げられると思うな
何かしよう物なら、この世から消す。
言っとくが、お前の事一度も好きになった事はない。
憎んですらいる。
私を洗脳しようとし、女の子達の気持ちを考えずに苦しめたお前をな」
なんなんだ、なんなんだこの人・・・!?
ゲームの時も、最初に攻略すると勝手に卒業まで時間経過させられる
途中で攻略すると周りのヒロインを全員敵対させて
コイツ以外交流できない財力に物を言わす監禁ルート!
最後に攻略でハーレムエンドを見れても達成感はあっても味気無いもの
転生してハーレムエンドを超えるものに出来ると思ったのに!
特大の罠じゃないか!
「真っ当に生きるのなら、監視されてる以外は普通の生活ができるからよ。
じゃ、バイバイ?一条誠という名の誰かさん?」
金船真帆に、全て見透かされてる。そんな気がした
逃げられない。そう思うしかなかった
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