9
「どうしたんですの?わたくしがお聞きしているのに、何も返せないんですか?まさか、神崎さん……わたくし達とはお育ちが違うのかしら?ねぇ、皆さん!」
わざと声を大きくし、周りにわかるように言うので、何事かと皆の視線を集めてしまったうえに、丁度担任の先生が教室に入ってきた。
「どうしたんだ、皆席につきなさい」
私の近くに集まって来ていたお嬢様達は、そそくさと席に着いたが、私はそのまま立ったまま、座れなかった。
「どうした、神崎?席に着きなさい」
「すみません、気分がすぐれないので保健室へ行かせてください」
「顔色が悪いな、気をつけて行けよ?」
イライラの矛先をどこに向けて良いのかわからず、逃げるように教室からでて、廊下の端を歩きながら、保健室へと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます