お姫様の秘密の放課後

びび

※秘密の手紙

1

4月、はれて、私、神崎さくらは高校生になりました。

我が家の経済事情では到底入る事の出来ないお金持ちが通う学校に入学することになりました。


そもそも、ここに入学になったのは、ある人からの援助があったからと、父から聞かされ、ここなら必要経費一切かからないからと言われて…


学力云々よりも周りは、どこぞの社長令嬢やら、官僚の御曹司やら…

世界が違う人達ばかりです。

勿論、頭の良い方々も大勢いらっしゃいます。


幼少の頃より英才教育を受けられてこられた方々ばかりですから…


かたっくるしい言葉遣いにもすこしは馴れてきたかな?

と、思っていても、元々の元が違うから、あらゆる所で、ボロが出そうになります。


けれど、父を困らせるわけにはいかないし、援助してくれている方にも申し訳ないから、もう少し頑張らないと!


「さくら!お父さん先に行くからな、気をつけて行けよ、行ってきます!」


「はいはい!行ってらっしゃーい!」


父を先に出してから、生ゴミを出す日なので、鍵と片手にゴミ袋を持ち玄関を出る。

鍵を閉めもう一度ドアノブを触って、閉まっている事を確認してから、歩き出す。


築15年のマンションに移り住んでからはや五年。


お祖母ちゃんが亡くなってから、このマンションに越して来たから。

五階建ての二階なので、階段で下に降りて行く。


ゴミを出す時に、大概顔を会わせるママさん達に挨拶をして、行ってらっしゃいと送り出される。

それが、私の朝の日課だ。

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