※二話 溜息

11

「ねぇ薫…どうしたらいい?」


「はぁ?そんなの知らないっすよ、自分の事なんだから、自分でおとしまえつけて下さい!」


藤崎の家で、くつろぎツバキの帰りを待ちながら、薫を掴まえて愚痴の相手をさせている。


薫には細かな事など話してはいないのだが、溜息ばかりの優希を見て何となく恋愛がらみではないのかと、察したのだった。


「藤堂組の若頭が、こんな所で油売ってていいんすか?」


またこれも毎度の事となりつつある。


優希は組に顔を出し、私用と言って藤崎の家に来るのだ。


勿論、ここは藤崎組である。


最近やたらと、優希の出入りが激しいので、つい先日もツバキに怒られたばかりなのだが…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る