第45話   トモヒロ

ジュンコが「トモヒロさん、お仕事お疲れ様」と声を掛けた。

トモヒロが「すまない。今日は仕事を辞めて来たよ」とジュンコに話しかけると、ジュンコが「え?どうして?」とトモヒロの言葉に驚いていた。

トモヒロが「俺の遠い親戚にサナギさんが居たと思うけど、此方のシステナリア社の内部心理科に転勤しようと思うんだ」と話をした。

ジュンコが「あら?そうなの?それで、そこの会社は遠いのかしら?」と疑問に思いトモヒロに尋ねた。

トモヒロが「そうだな。でも、そこに努めて色んな人の悩みや困りごとを解決出来たらなって思うよ」とジュンコに話しかけた。

ジュンコが「その内部心理科かしら?仕事今までと変わらず、頑張ってね」とトモヒロの背中を押した。

ジュンコは、洗濯物を干して綺麗に整えると「お父さんが、頑張っている姿を見れば皆の励みになるわ」と喜んで居る様だった。

トモヒロが「サナギ、サナギ」と大きな書斎の本棚を見ると、トモヒロが埃をかぶった本を見つけて、「これだ」と発言し、はしごから降りた。

昔の古い書物の中に日記は隠されていたが、埃を沢山被っているので、埃を手で払った。

トモヒロは「ゴホゴホ」と咳払いをして、古い書物のサナギの日記を1ページ開いた。

サナギ「今日は、内部心理科で浮気調査をユリアの依頼で受けた夢を見た。妻の恵子に笑われた」と言う言葉が刻まれていた。

急いでトモヒロが「ジュンコ、こっち来て見て見ろよ。サナギさんと奥さんの日記が書いて有る」とジュンコを呼びに行くと、ジュンコが古い書物でメガネをかけてみたら「本当だわ。サナギさんって人が本当に居たのね?」と驚いて見ていた。

トモヒロが「サナギさんの奥さんの恵子さんが息子のショウタを生んだ。ここにショウタが産まれて、眠る暇もなく、ショウタのお世話をして居る。早く仕事に戻りたいなと思って居る僕」と言う記事が見えた。

トモヒロが「本当だろう?」とジュンコに尋ねると、ジュンコも「本当ね?こんな所にまさかサナギさんや、息子のショウタさん、奥さんの恵子さんの事を日記に書いていた何て知りもしなかったわ」と納得していた。

大きな本棚には、サナギの気持ちや想い、そしてご先祖様の話しなんかも日記に残されている事はトモヒロにしか分からない事であった。

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