第23話このオジサンは変態ではない
僕のビジュアルは、腹がでっぷりと出て、髪の毛はオールバックで、目の病気でサングラスをしている。
仕事中も、許可を得てサングラスをしたまま。
それで、文句を言われた事はない。
僕の会社での人間関係は良好である。
閑話休題
今日、地下鉄のエスカレーターに乗っていると、前に立つ女子高生がスカートのお尻の部分を手のひらで押さえていた。
また、歩いている時も。
同じ方向だったので、歩いていると、女の子はお尻を押さえて走って行った。
また、別の女子高生は僕が後に立つと、僕の正面に身体を向けて、スマホをいじっていた。
僕は悪人ヅラをしている。
よほど、僕が変態に思えたのだろうか?
スカート、短かくしなければ良いのに。
クソガキのパンツを見て喜ぶ馬鹿だと思っているのだろう。
この辺りには高校が4校あるが、馬鹿な高校だから、地下鉄の通路は道を塞ぎながら歩いているし、変な叫び声を上げる。
僕は通路の端っこを歩いているが、道を塞ぎながら歩く高校生を避けない。
ほとんど、高校生は道を開けるが、たまにバッグや腕が当たる。
無視。
もし、僕と正面衝突したら、被害者ヅラしようた思うぐらい、この辺りの高校生はたちが悪い。
変人扱いされたり、悪人と間違われたり。
この前、スーツを着て証明写真を撮りに行った。
すると、道端で金髪のお兄さん2人組が僕に近付いてきた。
多分、因縁をつけてくるだろうと、思ったら、
「お疲れ様です」
と、言って深々と頭を下げた。
僕はノーリアクションで通り過ぎた。
やはり悪人ヅラなのか?
去年は、変人扱いをされて、警察官の職務質問を受けた。
「お兄さんすいません。さっき、この辺りで変態が出まして。お兄さんはずっとジャージですか?」
「そうだよ!」
「失礼しました」
と、警察官はよそに行く。
頭に来て、警察官と警察署に電話した。
「俺の姿を見て!変態ですかって、酷くない?その警察官は僕が変態に見えたんだよね?……」
警察は謝った。まぁ、全ては僕の体型、顔が変態に似ているのだから。
今日は、つくづく思った。
痩せて、元の顔に戻らなきゃと。
でもね、痴漢で興奮する男ではない事を神に誓って言える。
だいたい、性機能不全だし。
年取るって、いやね。
今夜のビールは一際苦い気がした。
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