第17話 たわいもない話

1 完

 ボクの学校には七不思議とでも呼ぶべきか、ともかく変な話がある。『図書室の死神の本』だ。

 見たことはない、というかたぶん見たことある人はいないということになる。

 噂によるとその本が見えるのは死期が近い人間だけなのだそう。そしてその本に本人の名前が書いてあるらしいというシンプルなもの。

 つまり見える人はそんなことを言っていられないことになるわけだ。

 そして死期が近くもない人がもし見ると死ぬことになるらしいという稚拙極まりない話。


 発端、それはボクだ。そうこれはボクが吐いたデマカセを誰かが信じて広まった。



 ところがそんな嘘は誠になろうとしている。


 実は本は空白の日記帳なのだけど、誰かが勝手に書いているらしい、そして周りで人死にが出ている。


 誰かが噂を利用している、『図書室の死神の本』を騙って殺人してる。のかもしれない。


 偶然かもしれない。



 あの本が見つからない。置いた場所に無い。


 ボクの手を離れてしまった。嘘なのに。


 本当になったか、もしくは悪用している。


 ボクが最初に教えた子がこの前事故で亡くなった。生前あの本を見っちゃったと言っていた。




 

 学校の噂にこんな話がある。昔学校のあった場所には霊安室があった。とか、お寺があった。とかそういう話。



 もちろん、事実じゃないと先生が言っていた。



 先生があの本を持っているのをボクは見た。先生がボクのモノを騙っているんだろうか?

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