第6話 賽は投げられた
1 完
これはわたしが見た夢のお話です。聞いてもらえますか?
夢の中のわたしは小学生なんです、いつも席に座ってわたしは鉛筆を。角がいくつかある鉛筆なんですけど。をコロコロと転がしています。
でも少し変なんです、普通バトル鉛筆とかでなければせいぜいロゴやイラストが描かれているだけですよね?
そもそも女子だったわたしとは無縁のはずなので、当然何も書かれているはずがないのです。
ですがわたしの鉛筆には何かが描かれているんです。それに気づいたのは何回かその夢を見ていた時の事です。そこにはすべての面に■■ 死ぬと書かれているのです。■■は人の名前です。ちなみにすべての面に別の名前が書かれているのですね。
それだけだったらただの変な或いは不謹慎な夢で終わるのですが、わたしがその夢を見て数日以内に必ずその人が死ぬんです。書かれていた名前の人が、それは身近な同級生だったり親戚だったり近所の人だったりまちまちなんです。毎回。
まるで寿命を、死を、決めているみたい。
あぁ、それとこの夢は外れたこともないのです、そして未だに続いています。
ところで夢の中に出てきた鉛筆には最近わたしの名前とあなたの名前が書かれているのです。そろそろ順番がまわってきたのかもしれませんね。
こんな話をしたのはそういう訳なのです。
最後にもう一度言いますが夢の中のわたしかコロコロと鉛筆を転がして止まった人の死は一度たりとも外れたことはないのです。そしてそれは現在進行形の話です。
どうかお気をつけて。もしわたしが死ぬことがあればそういうことなのです。
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