それゆえに奇譚
はすみらいと
第1話 おなり様
1
僕の学校には触れてはならない物事或いはしきたりと言わざるを得ないことがある。それは学年に同姓同名で明らかにひとりの人物なのたが、見た目が日によって違う人物が卒業までいて、卒業すると今度は名前が(性別が変わることもあるらしい)変わって入学し同じように卒業までを繰り返すサイクルがある、ということ。
しかも気味が悪いのは教師がそれを当然のことのように受け入れていることだろう。ルールとして生徒はそのことをからかってはならない。が話しかけたり仲良くすることは問題がないこと。見た目が日によって違うことを言ってしまうのはダメなのだ。
いつから続いている風習かそんなことはあまり知らないが少なくとも親の世代にはすでにあったということらしい。
毎日見た目が変わるってだけでも不気味なのだ、名前が同じであるのに。しかも卒業するとまたリセットされたように名前が変わって入学から卒業までを繰り返していること。ちなみに1学年にそれは1人いるらしい。
前もって言っておくと僕は元々地元だったわけではないので当然両親はこのことを知らない。もちろん僕もここに来て連絡事項として聞いただけだ。
それでもそれを破るとろくな結果にならないと同級生が真面目な顔で口々に言うのだから、破る気にならない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます