第22話
「卯の刻?けっこう早いのね」
驚いて、そういった。
「はい、女御様の仰せでございます。香子様もこのまま、わたくしどもの車で後宮に来られるよう、お願いします」
今は昼間だけど、ようはすぐに来い、ということなのか。 隅に控えていた鈴鹿に、あたしは咳払いをした。これは合図になっていて、鈴鹿は気づいて、簀の子の方に下がっていった。
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