芽吹いたモノ

第25話

日が落ちて夕日が木々を赤く染める。スーツケースを引き山から神社に出る。



 誰もいない神社を見て笑いが込み上げ、無人の社に話しかけた。





「フェンスを付けたほうがいいよ。あんたの柵じゃ意味ないから」





 込み上げる笑いも異常なまでの興奮もコントロール出来ない。



 ただそれは不快ではなく、むしろ心地よい。今なら何でも出来そうなくらい力がみなぎっている。





「俺は……僕は生まれ変わったんだ」

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