第34話

海人は、優衣が気にしているノートに今日の日付と今の時刻を書き込む。


「このノートは、優衣ちゃんの日誌みたいな物だよ。

僕が思った事や気になった事、覚えておきたい事を僕なりにメモしておくんだ。

優衣ちゃんが覚えておいて欲しい事とかがあったら言ってね。

ちゃんとメモしておくから」


海人はそう言い、足元に置いてあったバッグの中からファイルを取り出した。


「今度は何?」

優衣がちょっとからかうように言い、ファイルを覗き込む。


「ジャーン!」

海人がファイルを開く。


ファイルの中にはいろいろな種類のシールが入っていた。


「何?可愛い!」

優衣は思わず立ち上がり、ファイルに手を伸ばす。


「このノートの表紙、優衣ちゃんが好きなように飾っていいよ」


海人がノートとファイルを渡す。


優衣はキラキラした笑顔でファイルの中のシールを見ている。


ファイルには数えきれないほど、びっしりとシールが入っていて、優衣は楽しそうにシールを選ぶ。


その中から優衣は、イルカとシャボン玉のシールを選び、ノートの表紙に綺麗に貼り付けた。

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