クリスマス

1

第1話

2014年12月25日クリスマス。



 私は15度目のクリスマスをむかえる。今日は特別な彼と会う日。



 だけど、今日が彼と会う最後の日になるかもしれないことにベランダで白い息を吐きながら震えていた。





「寒い! やっぱり仕事の量を増やされたのかなぁ」





 前に、彼と会ったときにぼやいていたことを思い出す。なんでもプレゼントに手違いがあったとの手紙が届くと、翌年は仕事を増やされるんだとかなんとか言っていた。



 年に一度、その仕事が終わった後に会いに来てくれる。





「昔から少し抜けてるところがあるからな……」





 冷たい風が吹き体の芯まで凍りつく。部屋の時計を見て不安だけが温度を上げていく。





「それとも、駄目なのかな……」





 私は白い息を吐いてベランダの手すりに項垂れ、思い出を振り返る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る