第6話

最愛の恋人アキを亡くしたワタルは悲しみにくれていた。



その側には体が透けたアキの姿が






『ワタルが無事で良かった・・・・・・幸せになってね』






届かない声をワタルに掛けて寄り添った。



アキはそれからもずっとワタルを見守っていた。



悲しみからやっと抜け出したワタルはある女性と出会う。






「前の彼女、事故で亡くしたんでしょ?私も彼を事故で亡くしたの・・・・・・」






同じ境遇の綺麗な女性。ワタルはすぐに心を通わせ、深い関係になった。




アキのことを段々と忘れて。





『私を忘れて幸せになるの?あなた一人だけで・・・・・・』






アキの体に黒いものが落ちた。






「お互い大切な人を亡くしたけれど、そろそろ乗り越えて一緒にならないか?」



「そうね。きっと亡くなった私の彼も、ワタルの彼女も私達の幸せを願ってるわね」






幸せを願っている?



忘れて?



アキの体に落ちた黒いものが徐々に広がっていく。






『ワタルの代わりに私死んだのよ?なのになんで、そんな女と一緒にいるの?』

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