四
第6話
最愛の恋人アキを亡くしたワタルは悲しみにくれていた。
その側には体が透けたアキの姿が
『ワタルが無事で良かった・・・・・・幸せになってね』
届かない声をワタルに掛けて寄り添った。
アキはそれからもずっとワタルを見守っていた。
悲しみからやっと抜け出したワタルはある女性と出会う。
「前の彼女、事故で亡くしたんでしょ?私も彼を事故で亡くしたの・・・・・・」
同じ境遇の綺麗な女性。ワタルはすぐに心を通わせ、深い関係になった。
アキのことを段々と忘れて。
『私を忘れて幸せになるの?あなた一人だけで・・・・・・』
アキの体に黒いものが落ちた。
「お互い大切な人を亡くしたけれど、そろそろ乗り越えて一緒にならないか?」
「そうね。きっと亡くなった私の彼も、ワタルの彼女も私達の幸せを願ってるわね」
幸せを願っている?
忘れて?
アキの体に落ちた黒いものが徐々に広がっていく。
『ワタルの代わりに私死んだのよ?なのになんで、そんな女と一緒にいるの?』
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