第16話
タクシーを降りて見ると昨日迷い犬のチラシを受付てくれた、お巡りさんがいました。巡回中に見つけてくれたそうです。
川を覗くと確かにポンタです。少し手前に中洲があり、その向こうをトボトボと逃げていく後姿を見て涙が出てきました。
お巡りさんが「写真を持ってきてくれたから、お宅の犬だと分かったんだよ。」と言っています。
私は大きな声で「ポンちゃん!」と叫びましたが聞こえないのか中々振り返りません。
それでも何回も呼んでいると回りをキョロキョロしだしました。
やっと上を見て私が分かったようで立ち止まりました。お巡りさんが下に降りれますか?と聞くので
ここは何としても降りなきゃ…と思って降りるところを捜しましたが足場が有りません。
お巡りさんも無理だと思ったのか「レスキュー隊を呼びます。」と言いました。
私は『おおごと…』と少し青くなりましたが仕方ないので任せることにしました。
お巡りさんは無線で「対象物発見!(笑)」と連絡をしてからレスキュー隊に要請の連絡をしました。
レスキュー隊はすぐ来てくれました。隊員一人が梯子を降ろして網を持ちポンタの方へ向かいました。
ポンタは一旦、逃げましたが、すぐ大人しくなって隊員に頭を撫でられて網の中に収まりました。
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