その他の狐
第10話
信太の狐(阿倍野)布忍の狐(ぬのせ)高井田の狐は三兄弟である。
占い師で名をなした芦屋道満法師の弟で悪衛門が石川で住んでいた。
妻が奇病にかかり兄に占ってもらうと女狐の肝を食べれば治ると言われ早速、狐狩をすると親子の狐を見つけた。
小ギツネは逃げ場を失い信太に祈願に来ていた安倍保名に助けられた。
その時、保名は傷を負い、何処からか現れた女性に手当てをして貰った。
保名は女性の家で生活するようになり月日は経ち子供生まれ7年の月日が流れた。
人間の姿になり緊張が解けて狐の姿に戻っている所を我が子に見られた。母の姿を見て恐ろしやと叫んだ。
恋しくば尋ねて来てみよ和泉なると信太森のうらみ葛の葉と障子に歌を書き付けて信太に帰って行った。
その時流した涙がヨナメの花となった。成人した童子は安倍晴明になった。
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