メガネの向こうに優しい三日月
amanon(旧michico)
プロローグ
第1話
三年前、雪町駅で子どもの遺体が発見された。
七、八歳くらいの女の子だった。
一月の雪が散らつく中で夏服のワンピースにサンダルという服装、ホームのベンチの上という目立つ場所で死亡していたのを始発電車を待っていた乗客が発見した。
見つかった時は死後約三時間。終電から始発の間が死亡時刻ということになる。女の子がいつどうやって駅に入ったのか目撃者は無し。死因は凍死だった。
だけど、結局その子がどこの誰かも分からず、何らかの事件なのか、家出や迷子の末の凍死という事故なのか――――それも分からないまま時間が経っていった。
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