第29話

p21

 

「今日は元気がないんですね。」

観世が、学校が終わったのを見計らい、電話をかけてきたので、私は木村の代わりに入ってくれないかと言ったが、その日は生憎、家族旅行に行くとのことだった。

私の声のトーンが下がったのを、しばらくして感じてか、観世がそう言った。

「そんなにいつも元気があるわけじゃないよ。」

「キラシルンで茶会をさせていただいて、有難うございました。」

「ああ、良かったじゃない?受験生はただってのが。これで合格してくれれば、クチコミ効果があるかもね。・・・じゃあ、久しぶりに臨時休業ってことにしとくしね。」

「木村さんによろしくお伝えください。」

「わかりました、失礼します。」

「失礼します。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る