第14話

6P

私は、観世にプレートを作ってあげた。

《みよの判子》


 観世は、美術で習った判子(ゴム判子)を、彫刻刀で削る。第一作目は、トリだった。青いインク液に、トリの判子を浸し、クリーム色の帆布の布に、押す。


ばりこ。


乾いてきた所で判子を外すと、みよの判子ハンカチの出来上がりである。

「可愛く出来たねぇ。」

「商品になると思うと…失敗出来ませんね。」

 そっと籠に入れて、机の上へ置く。雑貨喫茶店【キラシルン】は、右側は喫茶部、左側はグッズ販売とわかれている。グッズはマグカップや皿が、主流である。判子ハンカチは、目新しい物として、キャッチコピーの商品プレートを下げた。

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