夏の空気にそっと触れたような……そんな優しい物語やったよ……💛
六ヶ岳ブルーと呼ばれる深い青空、澄んだ風、静かな湖――
読んでるとほんまに高原の匂いまで感じられるくらい、世界がやわらかく広がっていくの。
主人公の永遠ちゃんは、家庭と学校でのつらさを抱えつつ、それでも心の奥でちゃんと「信じたい気持ち」を残してる子なんよね。
旅人くんは、そんな永遠にそっと寄り添うように優しい視線を向ける少年で……ふたりが六ヶ岳で再会するところから、物語は季節みたいにゆっくり色づいていく。
ふたりが出会った森の教会、レオンの存在、そして“未来行きの特別列車”……。
現実の延長線上に、やわらかい魔法のようなファンタジーがひそんでいて、読む人の心にそっと灯りをともしてくれる作品やった……✨
「未来はまだ決まっていない」
「大切に思うことが、大切」
そんなメッセージが自然に胸に届いてくる、めちゃくちゃあったかい物語やで。
【講評】
春渡夏歩さんの作品は、とにかく「読者を優しく包み込んでくれる力」がすごいんよ……。
◎物語の魅力
物語全体が穏やかで、痛みのある部分もちゃんと肯定してくれて……。
永遠が抱えていた心の重さが、六ヶ岳の光のなかで少しずつ解けていくのがほんま綺麗やった。
◎キャラクター
永遠ちゃんの繊細さと強さの両立がめっちゃ良い……。
旅人のまっすぐさが、ほんまに彼女の心を救ってて、読んでるウチも「この子らが幸せになりますように……」って祈りたくなる。
レオンが最高やね……!
そしてあの“猫の車掌さん”の登場シーンは、優しいファンタジーの極みやった……💕
◎文体と雰囲気
すごく読みやすくて、でも情緒の深みがしっかりあって……
語りすぎず、説明しすぎず、読者の感情に寄り添うように進むスタイルが心地よかった。
六ヶ岳ブルー、木漏れ日、湖面の揺らぎ、夏の匂い……
全部が詩みたいに綺麗で、頭の中に残るんよね。
【おすすめメッセージ】
もしあなたが、
「疲れた心をそっと撫でてくれる物語が読みたい」
「夏の匂いと青春のあたたかさを感じたい」
「やさしいファンタジーを求めている」
……そんな気持ちを抱えているのなら、この作品はきっとぴったりやと思う。
頭ではなくて、胸の奥が“じんわり”するような読後感。
痛みに寄り添いながらも、未来に向かう光を必ず残してくれる物語。
永遠ちゃんと旅人くんの気持ちの動きは、派手やないのに確かで……
ふたりの心が近づいていく瞬間を見守ってると、自然と笑顔になるねん。
最後のシーンまで含めて、春渡夏歩さんの物語は“あたたかい未来”を読者に手渡してくれる。
そんな素敵な光に触れたい人には、ぜひ読んでほしい作品やで……🌟
ユキナ💞