†白雪姫†

第18話


幼き頃に、聞いていた物語。


白雪姫。白雪姫は、毒林檎で


眠りについた・・・



そう、白雪姫は幸せだった・・・



何故ならば、悪夢から


白雪姫は目覚めたのだから・・・


そう。優しい王子様に抱かれ



悪夢は過ぎ去った・・・



幼き頃の白雪姫。


幸せになれた白雪姫。


悪夢の覚めた白雪姫。



彼女はきっと幸せだった・・・



私の悪夢は覚めない・・・


手に林檎を持ちました・・・


とても紅く血色に染まる様に・・・



悪夢を覚ます為に、自分で毒を塗りました・・・



きっと毒林檎で眠り。


優しい王子様が、目覚めを


くれたなら。そう毒林檎を齧りました・・・



意識が薄れ、長い眠りに・・・



そして、何時か朽ち果て


白雪姫の様に、王子様は来ません。


だだ、悪夢の中の永き眠りの中で



私は、ただ朽ち果てて行く・・・



ただ、白雪姫の様に


王子様が来たならば・・・


床に落ちた、毒林檎・・・



意識が薄れ、消えゆく私に・・・




最期の夢を見せてくれました・・・

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