†最期の微笑み†

第16話

貴方はとても、良い人・・・


困って泣いていた私に


救いの手を差し伸べた・・・



そう。救いの手だけを・・・



それが、嘘だとも


知らない私は、泣いて


喜び貴方を信じた・・・



それが、貴方の仕掛けた罠だとも知らずに・・・



救いの手を差し伸べた貴方は


私が信じた姿に


きっと、これで終わりなんだよ。



そう思っていたでしょう・・・



そして全てが嘘だった。


と知った私は全てを失い・・・


心が引き裂かれました・・・



泣いても、逃げた貴方は居ない・・・



偽りの救いの手。


信じてはいけなかった貴方。




私は貴方を憎んだ・・・



そして、罠だった救いの手。


泣いても、泣いても


引き裂かれた傷跡からは



紅い血が、ぽたり。ぽたり。静かに落ちる・・・



そして、私は貴方に


復讐を考え実行する事にしたの・・・


そう、私を潰した貴方への・・・



私は貴方を呼び出した。信じたフリで・・・



貴方は相変わらず


気付かずに、会話をし


ベッドに、眠りについた・・・



『私を信じたのね?』



そして、無防備に


寝ている貴方の首を


そっと絞めてみました・・・



苦しむ貴方の顔が見たかったの・・・



鎖で閉めた白い綺麗な首。


鎖が食い込み、貴方の綺麗な血が


見れました・・・



白い綺麗な首には、紅い紅い血・・・



綺麗な姿に、強く絞めた首。


苦しむ貴方の顔に、微笑みながら


私は手を緩めなかった・・・



やがて、息が耐えた貴方の微笑み・・・



首には 絡みついた鎖


綺麗な白い首に綺麗な紅い紅い血・・・


最期の貴方の顔は



微笑みでした。そう安らかな微笑み・・・




静かに眠るお星様だけが知っている静かな夜の出来事・・・

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