†孤独な闇の中で†

第7話


僕が、迷い込んだのは・・・


ひっそりと暗い森の中・・・


何もかも失い、独りぼっちの僕は・・・



何かを探すように、ただ森の中を歩いた・・・



何かが聞こえた。


小さな声。まるで僕を呼ぶように


小さな声が聞こえる。



呼ばれる様に、僕はただ進んだ・・・



そして見つけたのは


小さな子猫・・・


僕と同じ、独りぼっちなんだね?



僕は子猫を抱きかかえ


ただ、暗い森の中を進んだ・・・


子猫は安心する様に・・・



僕の腕の中で、静かに眠る・・・



そして、廃墟になった


小屋を見つけた。誰も居ない。


もう独りぼっちじゃない



子猫と僕が、過ごせる場所だね?



子猫を撫でて、ただ


抱きしめて、思うのは


僕はもう、独りぼっちじゃないんだね?



眠る子猫に、ただ紅い涙が出た・・・



その涙は、僕を染め上げて


ただ、子猫を抱きしめて


涙が止まらない僕・・・



あれから、日々は経ち子猫が・・・



大きくなり僕から


離れた。また僕を独りぼっちにする様に・・・


探したのに、見つからない。



暗い、暗い森の中。もう声は聞こえない・・・



また、僕は独りぼっちなんだね?


そう呟いた。瞳からは


紅い涙が止まらない。



僕を、独りにしないで。ただそう思った・・・



あれから、僕も


森の中の小屋で、独り眠った。


そう。独りぼっちで・・・



暗い。暗い森の中、風に揺れる葉の音・・・



静かな闇の世界。


失った苦しみも悲しみも


お月様に話して、僕は眠った・・・



そして気付いたんだ。僕はまだ・・・



独りぼっちだと


思い込んでいた。そう朝が


来る様に、光の世界はある。



早く、この闇の森から抜けなくちゃ・・・




木々の葉の音。静かに響く、闇の世界。光を探して、今夜も暗い森をただ彷徨い歩く僕・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る