†嘘で紡いだ愛の夢†

第2話


キミはただ夢を見ている。


ボクへの愛の夢を・・・


硝子越しのボクだけを・・・



愛しているんだね?



でもね?実はキミの


愛したボクは 嘘を紡いた・・・


偽りの姿のボク・・・



バレない様にと、今夜も硝子越しの姿を・・・



そしてキミは、何も知らずに


今夜も心から、偽りのボクを愛する・・・


ただ寂しくて。ただ恋しくて。



また偽りのボクだけを見せて、『愛を下さい。』



また今夜も・・・


明日も・・・ 何年も・・・


ボクはキミに、歌うよ?



偽りの愛の歌を・・・



『何処へも、行かないで?』


『ボクだけ、愛して?』


『ボクが好きなんでしょ?』



今夜も硝子越しのキミに捧げる偽りの歌・・・



ねぇ?ボクが好きですか?


嘘で紡いだ愛の歌は、キミの心の中にありますか?


ボクはキミを愛してはいない。



ボクを独りにはしないで?




古びた城に住む偽りの王子と、偽りの愛の夢に瞼を閉じた少女の物語。

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