運命の日

第104話 54日目 1月14日(火)旅立ち

2025年になり、早2週間が経った。

今日は、17日に裁判がある為移動日となる。

17日は金曜日だからほぼ今週は出勤をしない。

一応、昨日の内に粗方終わらせてはいるがリモートが出来る様にノートパソコンはお互い持ってきた。

緋音の車を俺の運転で東京に向かう。

助手席のシートベルトには、クッションのようなパットが取り付けられている。

お腹や胸が締め付けられないようにするものらしい。

背中にも、クッションを入れている。

休憩は、こまめに摂っていこう。

東名高速道路三方原スマートICから高速道路に乗る。


「大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ」


道は流れもよく気持ちよく走れる。

まあ、若干…そう若干トラックが多いけどね。

安全運転で行こう。

それに、休憩は…うん、こまめに。


「確か、次の大きなサービスエリアは牧之原だったかな」

「寄ってみる?」

「そうだね」


浜松ICを過ぎると遠州豊田スマートIC、磐田IC、袋井IC、掛川IC、菊川IC、相良牧之原ICと順にICがある。

牧之原SAは、ちょうど相良牧之原ICを過ぎた後にあり、その後は吉田ICになる。

浜名湖SAに続いて大きなSAが牧之原である。

大体、浜松から30~45分程度の距離合いだろう。


「テレビとかラジオとかつける?」

「うーん、いいかなぁ」

「退屈じゃない?」

「うーん、真剣な顔の慎くんを眺めてるから全然」

「え!それは恥ずかしいな」


俺は、視線を緋音の方に向けることは出来ないがきっとニヤニヤとしているんだろうと予想できた。

なんとか、話題を変えたいのだけど運転に集中しているから考えられない。


「それに、慎くんが眠くならない様に私が話し相手にならないと」

「うん、助かるけど緋音は寝れるときに寝てね」

「分かってるよ!」


少し、語彙がきつくなっていた。

これは、俺が悪かったな。


「ごめん、緋音」

「ううん、私こそ…怒りたいわけじゃないんだけど…よく分かんない」


情緒不安定。

体調の変化は、精神状態にも影響がある。


「俺は、大丈夫だから…まあ、慣れてるし」


そう、俺は馴れている。

あの頃、毎日のように罵られ、物を投げつけられた。

真恵は、謝ることもなく…。

それに比べれば、こうして緋音は対話もしてくれる。

それだけで救われる。


「私、慎くんを傷つけたいわけじゃないよ…でもね、あんまり気遣わないで」

「ああ、分かったよ。ほら、大丈夫だからさ」


過度に過保護になったら、重荷になっちゃうよな。

普段通りにしてあげるのも大事だよな。

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