日常
春という男
第1話
side 華
「
「はーい。」
この町一番の高級ホテル、グランホテルのお昼時はとても忙しい。部屋を借りて昼食を取りながら会議を執り行う企業の方々への配膳や、ホテルがラウンジで実施している一般のお客様向けのブッフェ、そして各階のお部屋からのオーダー、イベント会場で昼食付の何かをしていればそこにも。
さすが、グランホテル。毎日がものすごく忙しい。
このホテルの従業員数は、把握していないけれど、このホテルでお客様方が快適にお過ごしになられるように動いている従業員の数は計り知れない。
それに、グランホテルは掃除のおばちゃんまですべて、グランホテルの従業員。よくある掃除やもろもろ、細かいところは業者に委託、なんてことは絶対にしない徹底ぶりだ。
そんなグランホテルの食を支えるここで、私は働いている。
「海野ー。早く!」
「そんな急かさないでくださいよ
桐子さんは先輩。顔よしスタイルよし性格姉御の完璧人間だ。
「このあと合コンなんだけど。」
「え!またですか!」
合コン好きがたまに傷なんだけどね。」
「また
「……もう別れるからいいのよ。」
ふ、と、自嘲の笑みを零した桐子さんは、汚れた小さなお皿をタバコのようにクイ、と上げて見せる。
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