第13話 説明


 マンションに戻ると教科書などが届いていた。段ボール箱なのでみんなのも運んでやる。

 部屋に入って一通り見てみるがなかなかハードなようだな。


 早めに寝て次の日、


 今日は校舎案内があり、その後説明なんかもあるようだ。

 

「はい、では校舎案内ですね」


「一階が私達のクラスともう1クラス。職員室、そして図書館、談話室、保健室、シャワー室がありますので利用して下さい。二階に食堂と2年のクラスが二部屋、技術室、生産室なんかがあります」

 と一応一通り見て回る。

 2年のクラスを見ると今は別の授業か、いないようだな。


「そしてここに『ダンジョン』があります」

「「「「『ダンジョン』?!」」」」

 何故か校舎の中庭にダンジョンの入り口がある。


「はい、最初だけ使用には許可が要りますが、許可申請は随時受け付けていますので気兼ねなく聞いて下さい。ダンジョンは必ず入らなければいけないので、早いうちから慣れていた方がいいですよ?」

「はい!必ず入るんですか?」

「学校の資料に書いてありませんが昨日届いている教科書に書いてありますので読んでおいてくださいね」

「「「「はい」」」」

 そうか、だから武器や防具がいるのか、『ダンジョン』なんてどうやって作ってるんだろう?


「あとは体育館にグラウンドですね。『薬草室』もあるので勝手に入らないこと!いいですね?」

「「「「はい」」」」

 薬草室か、まぁ薬草も大量にストックがあるしいいかな。


 そして教室に戻ると、

「さて、この学校ではSWTOがどのような活動をしているか、そしてそのためのスキルや普通の勉学なども教えて行くので頑張りましょう!」

 これでようやくSWTOが何をするところか分かるな。


「ではまず、SWTOが行っているメインの部分は3つ、1、異世界渡航者の保護、2、災害復旧活動、3、犯罪渡航者の逮捕、となります」

 1、は俺たちみたいな感じか、2、は、まぁスキルがあれば復旧活動は捗る。3、はどういうことだ?


「一つ目は、あなた方も経験した通りクラス転移など大規模なものは分かりやすいので、その場の保護、周りへの配慮、渡航者への説明、保護。情報操作ですね」

「はい!」

「はいどうぞ」

「分かりやすいとはどういうことですか?」

「クラス転移などは丸ごと消えてしまうわけですから問題になりやすいです。そして空間の歪みなどを確認すれば大抵のことはわかりますね。逆に少人数の渡航の場合は分かりにくいです」

 少人数は分からないだろうな。年間の行方不明者なんて全て探していたら時間が足りないだろう。


「では次に二つ目、災害復旧活動は渡航者による災害の速やかな復旧、情報操作、二次被害の軽減など多岐に渡り活動していきます」

「はい、普通の災害では無いのですか?」

「私達は渡航者に対してのみ活動しています。なので暴走した渡航者などで災害が起これば動きます」

 暴走?まぁ、スキルを使った災害ってことかな?


「三つ目、犯罪を犯す渡航者は逮捕するのが民間では困難なので私達の出番ですね」

 犯罪者か、警察では無理だろうな。

 同じスキルが使える者が警察と一緒の様な活動をするのか。


「というのが私達SWTOの主な活動になります」


「はい!海外もですか?」

「そうなりますね、日本は渡航者の数の多い国ではありますが、海外でも異世界渡航者というのはいますから」


 まぁ、日本だけに限ってというのは考え難いからな。


「だから英語や複数の言語を覚えておけば海外で活躍できます」

「はい!SWSはこのほかにも?」

「もちろんありますが、今の所、日本とアメリカにしかありません」

 2箇所だけか、少なくないか?


「はい!アメリカへの留学なんかは?」

「ありますよ?成績や評価などが高くなければいけませんがね?だから勉強を頑張ってください!」

 アメリカ留学か、俺は別にいいかな。

 アキなんかが行きたそうだな。


「はい!ダンジョンは何のために?」

「それは強くなければ犯罪渡航者を捕まえることができませんし、レベルが上がればできることは増えますからね。まぁ、スキルアップと思ってダンジョン活動をしていって下さい。詳しくは教科書を参考にして下さい」

 ダンジョン活動か、俺も早く入りたいな。


「ダンジョンは他にもあるのですか?」

「ダンジョンコアを持ち帰った生徒から国が買い取りダンジョンを管理しているので、管理していないダンジョンというものはありません」

 ほぉ、ということは俺が持ってるダンジョンコアも高く売れるな。


「はい!その他の職業に就くことはできますか?」

「もちろん可能です!この学校の施設もほとんどがSWSの卒業生が行ってますし、他にも就職先は多数ありますから」


 それはそうか、じゃなければ学校で学ぶ意味がないからなぁ。


「この学校では特殊な学科はありますがその他は普通科の学校と同じです。赤点は取らないように頑張って勉強して下さい」


 赤点か、なんか懐かしい響きだな。

 ようやく学校に通ってる感じがしてきたな。

 

 帰る時になって、愛内と早乙女がきてLUINを交換した。

 その後、帰りながら少し話をしたが、俺が置き去りにされた後の事を聞いて笑って帰った。

 中村はまたその5人でグループを作ったらしい。

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