第11話 勉強
まだ革屋にいる俺たちは、
「おい!お前!まだ色々持ってんだろ!レッドドラゴンの革は?」
ヒロさんに言われるので、
「ん?これ?」
取り出すとヒロさんは面食らったようだ。
「お…おーし!買った!100万でどうだ!」
「良い赤色ね!私が101万で買うわよ?」
「やめろ紅羽!これは革屋が買ってこそのもんだぞ!」
「だって気に入ったんだもん!」
と喧嘩をし始める。
「はい!ヒロさん!で?紅羽さんは?何を作れば良いの?」
俺はレッドドラゴンの革をヒロさんに押し付けると紅羽さんに欲しいものを聞く。
「そうね、このコートと…このブーツ!」
「ゴムは…あるか、コートとブーツと」
大体で作ってるが、まぁ合ってるだろ。
「きゃー!素敵よ!貴方、素敵過ぎるわ!」
とはしゃぐ紅羽さん。
「おいおい、流石に言葉が出ねぇ」
俺に帯付きの100万を渡すと椅子に座りグッタリするヒロさん。
「はい!これお代ね!」
と、こちらも帯付きに一枚+でくれる紅羽さん。
あとはポカーンとみてるクラスメイト。
「おい!帰ろうぜ?」
「あ。…あぁ!帰ろ!」
「帰るぞー!」
と言って店を出る。
まだ昼前だぞ?ちょっと騒がし過ぎないか?
「なぁ、スズは何をそんなに入れてるんだ?」
「素材?あっちで集めまくったからな」
「マジかぁ、俺たちもそう言うのやっとけばよかったな!」
「少しなら素材あるぞ?マジックバッグに入ってるが?」
アキがそう言うので、
「おっ!見せてくれよ!」
アキが見せてくれるのはインゴット、皮などだが保存状態が悪いな。
「ちょっと貸してみろ」
「あぁ」
『収集』『分別』『リサイクル』して皮から革に、他のも『リサイクル』して渡して行く。
「お、おぉ」
「まぁ、保存状態が悪かったから少し小さくなったがな」
「いや。助かったよ!」
アキはサッサと売りに行こうと後ろを向くが、
「待て。それは共有財産である!」
ヒカルが声を上げる。
「そうね!それもそうだわ!」
「ちょっと待て!売った方が良いって!だってこの革高く売れるぞ!」
ルビードラゴンの革だな。
アキは売りに行きたいらしいが、
「欲しい財布が」
「欲しいブーツが」
「だめだぁ!これは売るの!そして別のもの買おうぜ?」
「「…分かった」」
「よし!売って来る!!」
売りに行ったアキはルンルンで帰ってくる。
「ルビードラゴンの革!150万でした!」
「「「やったぁ!」」」
ルビードラゴンの革がそれだけするんだなぁ。
持ってるが喜んでるのでまぁいいか。
どーせ売らないしな。
「皮から革って、どうやるんだ?」
「まぁ、『分別』『リサイクル』してるからだけど、コラーゲン繊維を結合・固定・安定化させて…って何話してるんだ?」
「いや、凄いなぁと思ってさ」
ヒカルがそう言うのだが。
「あはは、まぁ出来るようになるまで試行錯誤したし、革屋のオッチャンに聞いたりしたからな!」
オッチャン元気かな?
「それに凄いのはお前らだ。お前らが頑張ったから帰れたんだしな!」
「それは、うん!」
「まあな!」
と喋りながら帰ると、鈴音さんがいるので声をかける。
「鈴音さん、クラスメイトって全員来るんですか?」
「まだ辞退の話はないからみんな来るはずよ?もう半分は来てるけどね」
紙を見せてくる。中村も来ているようだが、2-105だから会うこともそう無いだろう。
「それよりも五美君は結構暴れてるみたいね?」
「は?誰情報です?」
「あはは、情報が入ってくるのよ!お金持ちみたいだしね」
「ハハッ!まぁ、そうですね」
誰情報かな?千鳥さん?
「まぁ、人と仲良くなるのは良いことだわ」
「そうですね!」
マンションに帰るとみんなの部屋にソファーなどを設置して回る。
「よし!これで設置も終わったな!」
「ありがとう!助かったわ!」
「だな!ありがとな!」
「気にすんな!まぁ、また明日なー!」
「んじゃねー」
エレベーターに乗り部屋に帰る。
次の日はまぁ、勉強でもするかな。
一応学生になる訳だしな。
“ティロリロリラン”
『なにしてる?』
とLUINがヒカルから来たので勉強と返す。
“ティロリロリラン”
『今から行く』
は?勉強してるんだが?
“ピンポーン”
「おい。勉強中だぞ?」
「いや、それならアキを呼ぼう!」
「ん?」
「アキなら教え方も上手いし、もう呼んであるから!と、来たよ」
と向こうからくるアキは何故かピシッとしているな。
「よ!俺が教えるからには良い点取ってもらうからな!」
「え?」
「な!」
「な?」
と言うわけで地獄の勉強が始まる。
「「これ」「それら」「あのような」などの単語は…」
「違う!次のうち単体の物質はだぞ?覚えろ!メタンと…」
「関数 y = x2 +2 x+3 は,右辺の変数が xだけだ…」
あ、頭がプシュプシュ…ってヒカルは?
「ひ、ヒカル!大丈夫か!白くなるな!」
「大丈夫だ。ヒカルの場合はこれからだ!」
み、耳元で数式を囁いている?!睡眠学習とか?催眠学習?こ、怖いわ!!
「あ、ありがとうございました!」
「おう!いつでも呼んでくれ!」
「ヒカル?あとの2人は?」
「ん?呼んだけどなぁ、来なかったみたいだね」
それはそうだな。それが正解だ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます