第9話 買取屋

 レッドドラゴンの魔石を見せる。

「これでいくらくらいですか?」

「んー、10億は出せるな!」

「「「「「??!!」」」」」

「これだけおっきければエネルギー量が半端ないだろうし、もっとちゃんとしたとこに持ってけば高く売れるね!」

 レッドドラゴンの魔石はまだ沢山ある。

「じゃあ、売ります」

「あ、でもまだカード貰ってないでしょ?だから今度持って来てよ?」

「「「「「カード?」」」」」

「うん、新入生はまずカード貰うんだよね。キャッシュカード。一体型でクレジットカードにもなってるからこのSWSならどこでも使えるし、その他でも使える。それなら簡単に振り込めるからさ」

「へぇ」

「で?他には何持ってるの?」

「金貨に白金貨、武器なんかですね」

「おっ!金貨に白金貨か!純度はどうかなぁ?見せてみてよ」

「はい」

 後ろではヒカル達が『白金貨なんか持ってなかったぞ!』『な!スズは金持ちだったみたいだな!』って、聞こえてるぞ?


「お!純金ではないけどかなり高いね!21金の16.7gだから、…今の相場で19万5千円ってとこだね!」

「な、何枚持ってるの?」

 ヒカルが聞いてくる。

「えーと、1000枚くらい?」

「「「「「…」」」」」

 なぜ黙る?

「う、うん、で白金貨、プラチナの方だけどこっちではプラチナの方が安いんだよ。で、この白金貨は…15万くらいかな!」

「何枚持ってるの?」

「これはそんなに、15枚だね」

「それでも凄いよ!!」

「んじゃ記念に一枚ずつ買い取ろうか?」

「あ、はい」

「あ!俺らのもいいですか?」

 とアキが言う。

「んー、いいでしょう!」

「「「「やった!」」」」

 2枚買い取ってもらい34万5千円になった。

 ヒカル達も一枚買い取ってもらっていた。


「よ、よし!今日は奢ってもらおう!」

「「「おおー!!」」」

「お前たちも売っただろ?まぁ、良いけど服だけな?」

「「「「やったね」」」」

 と喜ぶヒカル達。

「あっ!お兄さんの名前教えてください」

「おっ!名前を聞いてくれるの?俺は昇 太陽ノボル タイヨウって言うからサンちゃんでいいよ!」

「じゃあ、サンちゃんさん、ありがとうございました」

「「「「ありがとうございます」」」」

「あはは!サンちゃんさんか、まあいいや!またおいで!」

 と言って店を出る。


「じゃあ、服だね!」

 と服屋に入っていくと、半分は古着屋のようだな。

「いらっしゃい!新入生だね!こっちが普通の服で、あっちが向こうの服ね」

 赤い髪を編み込んだ鼻ピをしたお姉さんだ。名札に「井上」と書いてある。


「向こうの服?」

「えーと、そう!これなんかミノタウルスの革ジャン!」

「あー、そう言う奴ですか!」

 さて、普通の服見よっと。

「あたしこれとこれとこれとこれね!」

 アカネは買うねー。

「俺はこのTシャツ!」

 まだ暑い時期だからな!ってもう九月になるから秋物がいいんじゃないのかな?

「俺はこのパンツね」

 ヒカルがTシャツでアキがパンツ。

「これとこれ!」

 ヤスはロンTとパンツか。

 と俺のも買って11万か、まぁ、いい値段するなぁ。

「本当に奢り?やったね!!」

「まぁ、儲けたしね!」

 と残りの買い物を済ませる。


「えへへ!ありがとうね!」

「おう!また明日な!」

「んじゃねー!」

 と解散して部屋に戻る。


 スウェットに着替えて日用品を置いて回る。

 『分別』で持って来たソファーを置き、テーブルも置く。

 終わったら冷蔵庫からジュースを出してテレビの前のソファーに座り、書類に不備がないか軽く目を通す。


「ふぅ、やっと落ち着いたな」

 全て見終わってテレビをつける。


 学校は3日後からだし、また買い物に行くだろうな。


 そう言えばみんなソファーとかどうしたんだろ?今日入ったばっかだし、無しかな?


“ピンポーン”

「ん?」

『遊びに来たぞ!!』

 ヒカル達だ。

「はいはい」

 ドアを開けると中に入ってくる。

「え!なんでソファーセット?!」

「テーブルがある?」

「付いてたの?」

「いや、持って来てたから」

「ずっこいなぁ!てか『収集』ってすごくね?」

 と俺のスキルをそんな風に言ってくれるのは嬉しいな。


「斉藤ですらテーブルは持ってこれなかったみたいだしな!」

「座椅子が精一杯だったよ」

「あるだけマシだろ?」

「明日買いに行けば?付き合うよ」

「やった!よし!ソファーだ!」

「よし!テーブルゲットだぜ!」

 まぁ、嬉しそうだし良いか。

「あっ!ピザ頼んだんだ!持って来たから食べよう!」

「そうそう!ここってデリバリーもいっぱいあるんだよねー!」

 マジックバッグからピザやコーラを取り出すとテーブルに置く。


「「「「いただきまーす」」」」


 テレビを観ながらみんなで駄弁る。


「ていうかそもそもなんなの?特殊異世界渡航者機関って?」

「凄いな、覚えてたのか?SWTOでしか覚えてなかった」

「何すんだろ?」

「それを学ぶんだろ?」

 と話題は俺たちの今後についてだ。

「機関だから俺たちは管理されるんだろうな」

「ねー!それってどうなの?」

「中村みたいな奴は管理されるべきだと思うけど」

 ヒカルは中村が嫌いなようだ。

 まぁ、俺もだけど。


「で、結局は?」

「分かんないだろ?何するのか」

「だねー!」

「てか、全員くるのか?40人いるぞ?」

「どうだろう?1人2人は辞める子いそうだけどな」

「あはは、中村とか?」

「まぁ、あの後掃除して帰ったからなぁ」

「そうなんだ、俺が一番先に帰ったのか」

 まぁ、漏らしてたし、来ないかもな。


 とりあえず明日は買い物第二弾を約束して、みんな帰って行く。


「スズ!生きててくれてありがとな!」

「…小っ恥ずかしいからやめれ!」

「ハハッ!じゃあ明日」

 ヒカルが勇者で良かった気がする。


 

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