ダンジョン潜ってたら異世界に飛ばされると思わないじゃん!
生牡蠣
現代とダンジョンと
第1話:へぇ~、ダンジョンね~
「私上がります」
「自分も上がりま」
「「お疲れさまでしたー」」
いやー、今日も無事乗り切った。
あっ、自己紹介が遅れました、羽部という者です、見てのとおりしがないフリーターです。
現在の状況はといいますと、レンタルビデオの店のバイトを終え、これから先輩をどっか遊びに誘おうと思います。
「夜行先輩~どっか遊びに行きませんか~?」
「スマン。私は予定があってね。」
「そうですか。」
ということで断られました、ここ1ヶ月くらいはこんな感じです、前は先輩から誘ってくれたのに、サミシン。
こうなったら実際に聞くか。
「最近忙しそうですね、何かあったんすか。」
「あ~それね~、えっと~」
照れ臭そうに頭を掻いている。
聞いたらマズかったやつかな?
「あの、なんかスイマ‥。」
「私ね、ダンジョン潜ってるの。」
へぇ~、ダンジョンね~。
「ダンジョン!?」
やっべ、声出た。
「やっぱそんな反応するよね、あはは、やから言うのは恥ずかしかったんよ。」
ダンジョンってあれよな、十年ちょっと前に全世界に突如出現した、ファンタジー的な、恵みと脅威をもたらす的な、関係産業の規模が割りとエライコトになってる的な。
「でもダンジョンに潜るって特別な感じがするんですけど、やっぱりそうなんすか?」
「潜るだけなら大したことやないよ、極論ライセンス‥免許証的なのを貰えばええだけやし、その上を目指すのなら気張らないけんけど。」
「なんなら今日一緒に潜る?体鍛えてるよね?」
そんな気軽に潜れる物なのか、自分も男の端くれ、興味が無い訳無いが‥
「ちなみにそのライセンスってどうやって貰えるんです?やっぱ探索者協会的な場所で試験とかある感じですかね?」
「んー、試験っと言ってもただ身分証見せて、軽く面接やって講義受けるだけだよ、二時間で終わる。」
「お金は?(ボソボソ‥)」
「初期装備と講義も含めて三万くらい‥」
三万か~んんん~、来月新発売のゲームがあるからその分の貯金と同額か~。
6秒くらい悩んだ頃、先輩が口を開いた。
「無理強いする訳では無いけど、私としては~?羽部君も一緒に潜ってくれたら~?嬉しいと思ったり‥」
「自分ライセンス取ります、ダンジョン潜ります!」
ゲームとか知るか、先輩が誘ってくれたんなら行くしかないだろ。
「よし!んじゃお金と身分証持ってきて!協会の場所は分かってるよね、そこで受付の人に言えばライセンス貰えるから。」
「先輩はその間何するんです?」
「私も家帰って準備してから‥まぁ終わったら連絡しとくれ、近場のえっと~ココで待ち合わせね。」
先輩の持っていたスマホにはここから最寄りのダンジョンの位置を映していた。
ーーーーーーーーー
パンパカパーン。
はべはライセンスを手に入れた。
「はえ~これがライセンス、なんか車の免許証みたいだな。」
講義で色々と話してたけど要約すると、
一、基本自己責任だから死んでも文句言わないでね。
一、ダンジョン内でも犯罪は犯罪だから証拠さえ揃えば日本国の法律で裁かれるよ。
一、ダンジョンの外で武器振り回さないでね、銃刀法違反でパクられるよ。
一、ダンジョンの中と外では時間の進む速度が違うので気を付けてね。
一、ダンジョンの中は我々の常識が通じない異世界なので警戒を緩めないこと。
創作の中でよくあるやつまんまでしたついでに倒したモンスターはドロップ品残して消える親切設計、それとは初期装備として最低限胴、腕、脛を軽いプレートが保護してる服と、先っぽに金属がついた棒(?)、こっちの世界の時間が分かる時計を貰いました、ホントに初期も良いとこだな?
そんな事より、先輩に連絡しましょ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こっちの用事終わりました、今から向かいます 羽部
おk
確認しとくけど体調悪いとか無いよね?
夜行
もろち
羽部
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さ、着きましたダンジョンなう。(正確には入り口)
着替えて持ち物も確認して準備完了。
にしても人がおらんね、これならすぐに
あっ、先輩おった。
「おーい夜行君、こっちだよ。」
先輩の装備は‥なんか自分の今着てるやつを1、2ランク上げたみたいなそんな感じ、腰には細い剣レイピア的な物を差している、とても頼りになる。
受付の改札みたいなトコにライセンスをかざして、いざダンジョン!
「じゃ、張り切っていきましょー!」
「おー!」
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