第41話

しかしレオは未だ納得いかない様子で、眉根を寄せたまま。



「そのくらいで悪い事起きたら俺悪い事ばっかじゃん。つーか何、服すら持ってねーの?」


「用意されたの着る以外知らないし…この服も一週間は着なきゃいけなかったから」


「え、まじ?じゃあパンツも?」



言いながらレオは鼻を摘む。


酷くない?あたし、女だよ?いや、そもそも、女と思われていないかもしれない。



「下着は毎回違うの用意されてるよ。それに着ていた服はリョウが洗濯してくれたみたいだから綺麗だよ」



紙袋を指差すと「冗談だよ、冗談」レオはやっと表情を軽くした。


「お前も相当なワケあり物件みたいだな」


両手で後頭部を抱えるレオは、ケラケラと乾いた笑い声をあげる。やっぱり失礼な男だ。


「レオって気持ちいいくらいズカズカ言うよね」


「んん?それ褒め言葉?」


「半分。そもそも、レオはリョウの何?」


「俺はリョウのパシリのバイトしてるの」



パシリの、バイト?


頭で簡単に縦列関係を書いてみると、あたしとレオは多分同じ位置に居そうだ。


リョウがあたしの飼い主だとすれば、リョウはレオの雇い主って事だよね。

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