第16話

「・・・とりあえず、行くか。」



「うん・・・あ、氷上くん、今日はありがとう!」



私が振り返って言うと、氷上くんは爽やかに笑う。



「いや、これからもよろしくな!」



「ん。じゃあ!」



蓮に促され、激しい外野の罵声を浴びつつ、車は発進した。




「・・・はぁ。」



「はは、ご苦労さん。」



隣で笑う蓮を睨む。



「蓮たちのせいだよね?自分たちのこと自覚してる?

容姿も良くて、男らしくて、しかもうちの大学に通っているなら頭までいい。

まさに完璧男子が5人でツルんでれば、騒がない女子はいないと思う。」



「・・・お前は騒がないじゃん。」



「・・・。」




家には、【君たち以上に異常】な方がいるんです。



車は、その異常な方の会社の前に滑り込んだ。

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