第478話
「ふん、あの程度なら奪えるんじゃない。」
甘ちゃんそうな女の雰囲気に、私は楽観的な気持ちになった。
確信を深めるように、追加されていく【鳳凰の妃】らしい彼女の情報。
何度も繁華街で彼女を見かけるけど、彼女の隣には必ず同じ組員。
新城秋とその側近と一緒にいる所を見たことが無い。
「・・・ガセじゃない?」
独りごちる。
新城の人間が、愛している女を傍から離す訳がない。
すると、買い物をする彼女を見つめる私の隣を、風が通り過ぎた。
この町の支配者を支配する女、
新城ゆいか、その人だった。
漆黒の長い髪を靡かせ、同姓でもウットリしてしまうような妖艶な笑み。
そんな彼女が嬉しそうに手を引いている猫眼の女・・・
「悪、女?」
前の高校で有名だった、市ノ瀬弓だった。
その後を追うのは、美しい双眼を緩めて市ノ瀬先輩を見る新城秋と、側近の2人。
その後には・・・
「ッッ、」
この町の支配者、新城奏と、その取り巻きだった。
「・・・確定ね。」
私はその場を後にする。
【鳳凰の妃】は、市ノ瀬弓。
「フフ、悪女がこれほどとはね?
やるじゃない。」
久慈の男を食い荒らした魔性の女が、悪帝まで落とすなんて。
「まぁ、直ぐにボロが出るでしょ。」
私の口角が上がる。
そう決めつけていた私とは裏腹に、お姉ちゃんの不安はピークに達していた。
「わ、私、会いに行く!!」
そう言い出した。
これまで会いに行こうとしなかったお姉ちゃんは、今の白雷組長に止められていたらしい。
"時期"ではないんだと。
だけど会いに行くと言い出したお姉ちゃんにあっさり許可が出た。
意気揚々とクラブまで会いに行ったお姉ちゃんは……、
あっさりと、拒否された。
「ヒック、うっ、……く、」
組員に抱かれて、泣きながら帰ってきたお姉ちゃん。
「ククッ、あっさり追い返されたんだよ。」
面白そうに話す組員は、お姉ちゃんの服の上から胸を揉む。
「……アッ、」
彼が嬌声をあげたお姉ちゃんの唇を荒々しく塞いだところで、私は部屋を後にした。
女の顔になるお姉ちゃん。
あの満足気な表情をもう二度と見たくは無かったから。
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