第58話
「ン、……ッン、」
時折、苦しそうに吐息を漏らすいろはを感じながら、胸の膨らみにキスを繰り返した。
僕の指がYシャツの隙間から侵入すれば、いろはは口を自分の手で覆って何かに耐えるように眉間に皺を寄せる。
「かわい。」
「っっ、」
身を捩るいろはに、笑い混じりに言ったことで恥ずかしくなってしまったらしい。
悦郎の与えた【色】は消え、僕だけが染める事ができる【色】でいろはは染まった。
ブルリと、身体が震える。
沸き上がるのは、大きな欲情と快感。
いろはがこの色に染まるのは、僕が触れた時だけ。
いろはが気を取られているのをいいことに、一気に下着をずり下げれば、いろはは声のない悲鳴を挙げた。
ぷるん、と効果音が聞こえてきそうなほどの柔らかいその膨らみは、外気に触れたせいか鳥肌が立つ。
ふ、と。笑みが漏れて。潤んだ目で見下ろしてくるいろはと目を合わせながら、それを口に含んだ。
ーーー、
「ハッ、は、……ん、」
「ぁ、……っ、……っ、」
いろはを容赦なく突き上げる度、いろはは苦しそうに声を呑み込む。
僕に聞かれまいと、部屋の外に聞こえまいと。
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