第4話

たった、2日。


3日目には郁が帰ってくる。


その間、私はというと……




友達とのお昼。放課後は雑貨屋さんを回ったり、カラオケに行ったり……



普通の、女子高生をしていた、と、思う。



郁とスマホで”話しながら”、私は2日間、楽しんだ。


郁が探してたCDを買っておいたことや、郁とお揃いのシャーペンを買ったことは、内緒にしてるけど。



田中先輩カップルのラブラブさにドン引きしながらも、放課後になると健二君の部活によって引き裂かれてしまう2人の涙の別れを見て笑ってしまったり。



郁と、行ったことがある場所だらけだったけど、友達といるととても新鮮。


そして、カラオケは、初体験だった。



人前で歌う、という行為がどうしてもだめで、踏み切れなかったけど、みんなが歌うのを見ているだけでも、楽しかった。



友達って、こんなんなんだ。そう思えた時、ゆずに会えない寂しさを感じた。



思わず、苦笑する。


ゆずと会わない日の方が多いくらいなのに。一向に連絡を寄越さないゆずに腹を立てている自分がいることに。



3日目の放課後、田中たちと校門を潜り、ゆずに連絡してみよう、そんな事を考えていた。



郁が帰ってくる数時間後のおかげで緩んでいる頬のままで。

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