第2話

お前の漆黒の長い髪は、繁華街の薄汚ねえ風にすかれても、キラキラと揺れていて‥‥



俺の目を、細めさせる。




「組員、配置できてるか?」


「へい。」



絶望を宿した、その表情。



光に縋る、漆黒の瞳。



対照的な、白い肢体。



そんなお前の圧巻の容姿に、繁華街の虫どもが食いつかないはずはねえ。



お前に気付かれない様に配置された組員達は、今日もお前に集るハエを潰す。




この感情を、認めるわけにはいかないが、


逸らすことの出来ない、視線。



自然と体が、この時間、この場所へと誘う。




最近の俺は‥‥、



抱く女は全て、



漆黒の、長い髪、儚い雰囲気‥‥、




自分が誰を想い抱くのか、明白で。




それが更に、女を認めたくない自分に嫌悪を抱かせた。



俺の毎日は、決まっている。



この時間、あの女を見つめ、図書館に消えていく背中を見送り、



仕事を片付け、閉館時間に戻る。



閉館と共に繁華街を後にする女を見届け‥‥、


再び仕事に戻る。



そんな毎日

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