体育祭

第57話

side 灰島



私の家は、とても大きな会社を経営している。


お父さんは所謂、成金って感じの人で、やたらとお金とか金が好きで気持ち悪いけど。


でも子供の頃から、欲しいものは買って貰えたし、やりたい習い事があればすんなりできた。



そんな私は、馬鹿なお嬢様と言われるのが嫌で。


勉強だけは必死にやった。ここの幼稚舎に入るために。


この学校では、エスカレーター式とはいえ、上の学校に進む度にテストを受けさせられる。


その試験で落とされた人間が、周辺の学校へと”落ちた”時。


こう言われる。


【お馬鹿なお嬢様】


それだけは絶対に嫌で、更に必死に勉強した。


私は、昔から憧れている子がいる。



白坂頼。



とても素敵な子。


家はこの学校の全てのお嬢様を合わせても敵いっこないくらい凄くて、容姿も頭の良さも抜群。


しかも性格のいい彼女は、イヤミなくらい完璧で。



私もこんな子だったら、毎日が楽しいだろうと思う。



だって頭が良いんだから勉強なんてしなくてもいいし、勉強に使っている時間が自由時間になったら、沢山やれることがある。



そんな彼女は、高校に上がってすぐ、同じクラスになった。



嬉しかった。

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