第42話
正直、”お嬢様”なんてそんな類の女ばかりだと思っていた。
いわゆる金持ちの基準がどこらへんからかは分からないけど、金ってのは人を変える。
俺自身もきっと目の前に大金積まれたら人が変わると思う。
その”お嬢様”は、この高校に行くのが夢だと言った。
憧れの白坂頼に近づきたいと、夢を語っていた。
そんな彼女は、残念ながら、頭があまり良くなくて。入学式で見かけなかったところを見れば、どうやら落ちたらしい。
あんな女と高校まで一緒なんて普通に嫌だったから助かったけどな。
俺は昔から、なんとなく頑張ればなんでもできたようなガキだった。
自慢したいところだが、この”普通”の容姿のせいか男には生意気だと言われ、女にもモテず。別にいいことがあったことなんてない。
そんな俺が、この学校に入学してから。
誰よりも有名な、生徒になってしまった。
白坂頼。
こいつに告られたことで。
正直、迷惑でしかなかった。お嬢様の気まぐれで俺の高校生活残念なことになったらどうしてくれるんだろう、と。
白坂頼というお嬢様は、良い噂しか聞かない女で、それが逆に、胡散臭い。
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