第25話

side 流



「黒蜜君、土曜日は何をして過ごしていることが多いですか?」


「……寝てる?音楽とか?」



「ではっ、音楽で好きなジャンルは?クラシックなどとは聞きませんよ!私は今流行の人々を知っています!」


「え-、はは、そうなんだ。」




「「……。」」



光里と2人で白い目を向けているのは、週末明けの噂の奴らだ。


初めは俺たちが加わった方がいいんじゃないかってくらい、ぎこちなかった。


クラスメイトと世間話するにももうちょっと話せるぞって思わずツッコんでしまいそうになるほど、いつも前を歩く2人はぎこちなかったはず。



それがなぜだろうか。金曜日、文人が地雷と呼ぶのかは分からないが、白坂の何かを踏んだ。


それから週明け、月曜日から始まったのは、怒濤の質問攻めだ。



生年月日や血液型、利き手まで。メモを片手にキラキラとした表情で聞く白坂に、相変わらずの困り顔で文人は質問に答え続けている。



「好きな、映画はなんでしょう?」


「あー、あんま見ねえな。」



「「……。」」



正直、白坂頼なら全て聞かずとも調べ上げるのは簡単だと思うが。



『本人の情報は、本人から聞かなければ。同じ事柄でも、籠もっているものが違います。』



と胸を張っていたのを思い出す。

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