彼女

第1話

こぼれ落ちた涙を、拭いてくれる人はもういない。





だけど、自分から去る勇気もない私は、ただただあの時、泣いているしか術はなかった。






そんな私を見ていてくれたのは、




貴方と、ワタシ。





「馬鹿だなぁ。ほんとに、馬鹿。」




泣いている私にそう言って笑った貴方は、誰よりも私を愛してくれた。

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