第24話

くだらなく、醜い。それでも効果は抜群だ。




それでもこの子は慣れなくちゃいけない。



雀と一緒にいる以上、必ず向き合うべき時がくるだろうからだ。




「流したら、分かってる?」



釘は刺しておく。睨んでやれば震え上がる、ガキだ。



こいつら学生が、一番始末が悪い。黒とも白とも判断がつかず、グレーならばいいと開き直ってしまう安易さがある。



SNSのアカウント画像、流す有名人の写真。そして一般人が写っている動画。全てのものに権利というものが存在するというのに、こいつらは安易にそれを流し続ける。


それを規制するにも数が多すぎ、そして対処が難しいからだ。




その穴を利用するずる賢い者。それを分かった上で違法なことはしない利口な者もいるが。そして一番厄介なのは悪気がない人間が多数ということ。



知らないんだ。それが違法なことだとは。それを教える人間もいないのだから仕方がない。



冬ちゃんはその歪みが生んだ被害者だ。それによって被るダメージの大きさを、こいつらには想像できようもない。



俺が睨んだからか、場の空気が一気に重くなった。その方が助かるからいいんだけどな。




車を回り込んで運転席に乗り込んだ。助手席に乗る冬ちゃんは俯いていて、様子を伺うことはできない。



だけど、ちゃんとシートベルをしてくれている。このまま一緒に行く気でいてくれていることに、笑みが零れた。

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