第31話

帰ってすぐ、寝ればいいのに。体調が万全じゃないってのに俺の手はパソコンのスイッチを押していた。




日曜日の午後2時。夕食の時間までまだまだある。




住み慣れた家が画面いっぱいに広がる。ヘッドホンを装着すれば、聞き慣れたゲーム音が耳を刺激した。




---MAMEさんが、パーティーに招待しました。




俺がインした途端。思わず顔がにやける。



「おはよう、MAME。」



さぁ今日も、アンリアルな世界で楽しもう。






---、




「おはよう関口!」


「はよ。」


「おはよう滝川!」


「うっせーデブ。」




ラミちゃんが引けたからかご機嫌の三菱。



慣れない合コンのおかげでまだ気分が浮ついていたのか、EGGをやりすぎて寝不足の俺と、残念ながらカップル成立ならずでいまだ不機嫌な滝川はもちろん同じテンションで返せるはずもなく。



「なんだよ滝川、不機嫌だな!」


「殺すぞ。」



しかしさすがラミちゃん効果。いつもはデブの"で"を言っただけで肉球パンチが飛んでくるのに、今日の三菱はちょっと違うらしい。




「なんだよー、どうしたんだ?」



もちろん、合コンのことを聞かされていない三菱に滝川の不機嫌の原因が分かるはずもなく。




「ネトゲのしすぎじゃね?それより見せろよ、お前のラミちゃん。」



まだイライラしてるアホは放っておくことにして、合コンを内緒にしてたせめてもの償いだ。俺が付き合おうじゃないか。



目をランランとさせている三菱にぎこちなく笑った。

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