第20話

「あーあ、また出なかった。」



肩を落とす三菱。EGGのようなオンラインゲームにはそういうとこはないなと、ふと思った。



ネトゲは、課金すればそれが手に入る。売っている物が運に任せるようなもんじゃないからだ。




戦闘ゲームなら、コスチュームとか、色違いの銃とか。スマホゲームよりは現実的だと思う。


EGGにも課金とか、あればいいのにな。




MAMEが可愛いコスとかしてたら可愛いだろうに。




「夏生。」


「んあ?」



滝川の声でハッとした。俺さ、そろそろやばくね?


頭の中で可愛いうさぎコスをしたMAMEがウインクしていた。しかも、EGGのキャラで。



「お前口開けて笑ってたぞ。キモイ。」


「うっせー。」



そろそろ、リアルで恋愛でもしないと。このままネトゲの世界でゲームオタクなまま一生が終わりそうな気がする。




「そういえばさ、兄ちゃんが合コンの人数合わせで2人ほしいっつってんだけど。」



滝川がなぜかトーン低めで俺にだけ聞こえるように言ってくる。明らかに俺の方を誘いたいらしい。どうやら三菱は落選の様子。まぁあいつは3次元には興味ねーからな。



女より食い物、食い物より今狙ってるスーパーレアの美少女キャラ、ラミちゃんだ。

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