第3話

なんつうの?会話すら上品だよな。俺が本読んでて三菱に同じ質問されたら、ゲームのやりすぎで頭おかしくなったのか?なんて暴言は当たり前だ。




「うあ!また覚醒引かなかったー!」


「……。」



そのふとふとしい指一本で今いくら課金したのか分からないこいつなら、なにを言ってもいい気がする。




「よく本なんか読めるねー。頭痛くなってきた。」


「表紙だけなのに?」




思わず、視線が行ってしまう。




本が似合う、可愛い女。胸もでかくて、大人しくて。河合のことをどうも思わない男子なんていねーと思う。




俺も、河合が気になる男の一人。その他大勢。



だけど、俺が他と違うことが一つだけある。




河合に惹かれた理由だ。





---、




おなじみの音楽を聴きながら、画面の中の自分が目覚めた。




ヘッドフォンを着けて、音量をマックスにする。




耳から流れるゲーム音、そして、画面の中の視線は、住み慣れた家を映し出していた。




ここは、ゲームの世界。




オンラインゲーム、【EGG】



学校以外は、ココにいる。


俺のオンラインネームは、NATI。夏生の夏を文字って考えた。




KOKI[NATIおはよー。]


NATI[おはようございます!]




このパソコンゲームは、言ってみれば広大な敷地の中で色々な人々と生活するゲームだ。

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