奏とゆいか
蒼いクリスマス
第1話
side ゆいか
「行くぞ。」
そう言った奏は、その綺麗な唇を企むように歪め、私の手を強く引いた。
「どこに?」
ベッドから降りた私は、奏を見上げて首を傾げて。だけどそんな私を見た奏は、グッと息を呑むと突然、噛みつくようなキスをした。
「んっ、」
唇ごと食べられてしまって、舌先は執拗に私の口内を探る。胸を押して見ても、びくともしない。それはどうやら私の体が奏の舌の甘さに抵抗できないように"作り替えられて”しまったせいらしい。
こくりと飲んだ唾液に痺れ、目は自然と潤む。
脳は考えることをやめ、ただ舌先に感じる快感、そして時折乱暴に私をかき抱く奏の抱擁の強さに、もはやノックアウトされてしまう。
「んん、ん、」
それでも、どうしても抵抗することにチャレンジしてしまう。
なぜかって?
このままいけばどうせまた、背後のベッドになだれ込んで今日が終わってしまうから。
そんなことにはさせない。だってさっき、奏がどこかへ行こうとしていたのはきっと……
「そ、んんっ、そうっ、」
「……あ?」
今日が、クリスマスイブだから。
「は、ぁ、だから、」
聖なる夜なはずなのに。
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